美術館・画廊・書籍メモ

行ってきた展覧会・読んだ本などの記録です。気が向いた時、気が向いた分書いています。 同じ展覧会に行った方、そうでない方も、お気軽にコメント・トラックバックしてください。

ティエリー・ド・デューヴ『芸術の名において』

 どのような批評にも学ぶべきところはある。どんな人の書く文章でも、かれが誠実に書いている限りにおいて(すくなくとも私にとっては)砂金のひとつぶ以上の価値がある。
 しかし、この事実とは反対に、ごくまれにしか出会うことのできない、ぞくぞくするような批評というのがある。
 ティエリー・ド・デューヴの書くものがまさにそれなのだ。

 ド・デューヴは終始、火星人……否、「あなた」に対して語りかけている。
 人間のこつこつ生み出してきた芸術の定義や範疇を、(火星)人類学者である「あなた」の明晰な頭脳が解き明かそうとする。が、一筋縄ではいかない。「あなた」は学者をやめ、理論を捨て、土着の、ひとりの愛好家となる。しかし「あなた」は歩みを止めない。
 ついに辿り着いた肩書は考古学者であった。「あなた」は言う。
 ――芸術はかつて固有名であった。

 ド・デューヴは、1944年、ベルギー生まれの美術批評家である。
『芸術の名において』では、二十世紀の美術(=モダニズム)の思想的戦略をがっちりと概観できる。ただ、高度に知的で隙が見えてこない文章なので、一度では惑わされて終わるだろう。というか、私も目下路頭に迷っている。
 解決を探して暗い道を歩き回っているさなかでも、困ったことに、ぞくぞくしてたまらないのだ……これが。

エリナ・ブロテルス批評

 拙作。
 銅版画のテクスチャーを持つモノクロ写真はあるが、油彩画のテクスチャーを持つカラー写真は初めて見た。しかし、特に新しいことでもないのかもしれない。写真史や写真論をまるで知らないから分からないのだ。思い切って書いてしまった。
 あまり……というか、ぜんぜん出来のいいものではないのだが、ここに改めて出してみたい。

 エリナ・ブロテルスはフィンランド出身の女性写真家。
 国立新美術館のアーティスト・ファイル2008の展示は印象的だった。

 註釈はこちら。

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ユコ

Author:ユコ
芸術学科所属、
日本美術史を専攻します。

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